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早撰堂 レトロな空間の町屋で常連も多い手作り和菓子のお店

2023.10.18



古めかしい風情ある看板と外観に、思わず足を止めてしまう和菓子店、早撰堂(そうせんどう)さん。

建物は1893年(明治26)に建てられたそうですが、外観とお店部分は2004年(平成16)に大正時代の写真を再現するように改装されています。
これは、近代的に改装された町屋の外観を、昔の姿に戻そうという「むらかみ町屋再生プロジェクト」の第一号の取り組みです。

筆者の宿のお客さんを案内していても、今では昔の風情を感じる町並みも、このプロジェクト以前はいわゆるアーケードの商店街だったと知ると驚かれることが多くあります。



ガラスの格子戸を開けると、昔ながらのガラスのショーケースやお菓子作りに使われてきた木型が並んでいます。

さらに奥には、タイムスリップしたような立派なお座敷が。2階が無く吹き抜けになっている高い天井と天窓や、立派なお仏壇、大きな金庫、階段とタンスが一体になっている箱階段など、暮らしと歴史が一緒に広がる空間を見学できます。



ショーケースに並ぶのは、どれも手作りの和菓子。
美しい四季それぞれの生菓子は、村上市内の飲食店さんでもお茶請けに使われていて、その美味しさは料理人のお墨付き。

千代華(ちよか)や最中など、定番商品も人気で常連さんも大勢います。筆者がお店におじゃましておかあさんとおしゃべりしていると、必ず地元のお客さんが買い物に来ています。



最中はつぶ餡と、村上茶餡の2種類。お店に並んですぐの出来立ては、皮がパリっとしていて香ばしい美味しさ。

それを一日置くと、皮と餡が馴染んで、そうそう、最中の美味しさってこれこれ!と頬がゆるんでしまいます。
早撰堂のおかあさんのおすすめは1日置いたあと。私は我慢できずにすぐ食べてパリパリを楽しむのも、少ししっとりした皮と餡の一体感を味わうのも、どちらも好きです。

もうひとつの個人的なおすすめは、春先に数量限定で並ぶ桜餅。
販売中には「さくら餅」と書かれた桃色のレトロな看板が出ているのが目印。買って帰ろうと思って夕方頃にお店に行くと、看板が畳まれていて、売り切れている…!としょんぼりしつつ他のものを買って帰ったことが何度かあります。
やさしい塩気の桜の葉に包まれた道明寺と中の白餡がなめらかで一体感があって、いくつでも食べられそうな美味しさ。春が来る嬉しさと一緒に味わえる、筆者にとっての村上の春の味覚です。


DATA
住所 新潟県村上市大町3-5
電話番号 0254-52-2528
営業時間 8:30〜18:00
定休日 日
駐車場 無し
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この記事を書いた人

松本典子

村上市の小さな宿「よはくや」のオーナー兼フリーライターです。村上生まれ、村上育ち。観光に来た人を連れて行きたくなるお店、ガイドブックに載らないようなお店、ふだんのまちの様子など、地元の目線でお届けします!

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