神林の国道345号線、お幕場の松林を目の前にしたレストラン、和いたり庵ヤマトさん。
その店名から察する事ができる通り、和食とイタリアンどちらも堪能する事ができるレストランです。
そうしたお店なら割とあるよ…と侮る事なかれ。
和いたり庵ヤマトさんでは、和食の職人とイタリアンの職人がそれぞれ作っている、本気の和食と本気のイタリアン。
代表である兄が主に和食、弟がイタリアンを手掛けます。どちらも都内や新潟市内で長年腕を振るい、その道を極めた職人さん。
お昼には和食とイタリアンのランチセットをそれぞれ提供。地元神林の岩船豚や関川の蛇喰豚、地物野菜など村上地域の素材を多く使っていて好評。
岩船港で水揚げされた魚も多く使用した刺し身などの魚介類も多く、それらは人気メニューのひとつとなっています。
和食のランチセット
イタリアンのランチセット
コロナ感染症が流行する直前の2019年に新規開店するタイミングの悪さもありましたが、試練の時期も乗り越え、最近はいつも満席の盛況ぶり。
和とイタリアンの職人で〇〇兄弟とか、漫画に出てきそうな設定ですが、今回はホールで元気な声を響かせる、代表の息子さんである齊藤豪汰さんにお話を伺いました。
和いたり庵ヤマトさんのお店のコンセプトは、和食とイタリアンどちらも美味しい料理を提供することはもちろんですが、お客様に対しての対応を重視しています。というのも、豪太さんが新潟や東京で数店舗を構えるイタリアンの人気店で接客を学んことが大きかったようです。
豪太さんは専門学校を卒業した後、東京で飲食とは無関係の業界で勤めていましたが、地元に戻ったことがきっかけでお店のサービスを手伝うようになりました。そこで食を通して行うサービス業の楽しさや、やりがいに気づき、もっと知識を深めたいと前述のイタリアンのお店で働くことに。
「今思えば、当初の自分自身や、当店のサービスの質は最低だった」と振り返ります。
朝から日付が変わるまで、休みなく働いた新潟のお店は楽ではありませんでしたが、その中で様々なことを柔軟に吸収しました。
客室は半個室
「お客様には必ず声掛けをするように言われていたんですが、何を話せばいいか分からなかったんです。そんな中で先輩の指導もあり『料理は満足いただけましたか?』『今日はどこからご来店いただきましたか?』『気をつけて帰ってください』などと声掛けができるようになりました。お客様とのコミニュケーションは、自分自身のやりがいのひとつとなりました。」
そんなエピソードも、今、和いたり庵ヤマトさんでのサービスの在り方とつながっているようです。
腰掛け席もあり
「食事が美味しいことは当然として、サービスでお客様に幸せに、笑顔になって帰ってもらいたい」と、豪太さん。
村上では、料理をきちんと説明してくれるお店が少ない、という印象があり(これは筆者も同感…)、どこの何を使った料理か?という事を必ず説明するようにしているそうです。
「同じ料理でも説明することによって美味しさがより伝わり、お客様の満足度も変わります。」
なるほど。お店のリピーターの多さは、豪太さんのサービスから生まれているようにも感じました。
料理では季節を感じられるメニューも取り揃え、時季によりワタリガニやシラウオ、ナマコ、岩のり、サクラマス、神林の越後姫を使った料理など旬の素材を活かして提供。
また、場所的に車で来店する方が多いという理由から、ノンアルコールメニューも豊富に揃えます。
粋なカウンター席
ここで唐突に、いくつか質問を投げかけてみます。
趣味は何ですか?
バイクでツーリングに行ったりすることです。結婚してから全然乗れてないですけど。
好きな言葉は?
気合と根性です。地元の先輩の影響が大きいかもしません。
今時の若者にとしては珍しいですね。
村上でよく行くお店は?
小太喜屋さん。定休日の月曜日にはだいたい行きます(笑)。
メニューに無いものが食べたくなる、飲食業あるあるなんでしょうか…
今、困ってることはありますか?
スタッフが見つからないことです。常に募集している感じで。2階や別館が入ると今の人数だとかなりきついです。
2階の宴会場
今後の目標については、お店を増やしたいという想いも。
新潟市内からのお客様も多いので、村上の素材を使った料理を新潟市内で提供すれば、よりお客様に身近に感じていただくことができると展望を描きます。
快活な豪太さんの声掛けが心地良い和いたり庵ヤマトさん。お昼や週末は混み合うので、すいた時間を見計らって、または予約してから、味わいに行ってみてください。