新潟在住8年目、新人ライターの八木野 恵美です。今回は前回に続き、屏風まつりのご様子をお届けしていきます。


てくてく歩いて町人町へ

まずはパッと目に付いた「うおや 塩引館」へ！

どうやらお土産品を扱う商店のようですが、「ゆっくり屏風を見ていってくださいね」とお声掛けいただき嬉しい気持ちに。


ニコニコ親切な店員さん

「当店は江戸時代から魚屋を営んでいて、200余年の歴史があるんですよ。今年飾っている屏風は義経の勧進帳と、中国の物語ですね。」


勧進帳の場面を描いた屏風

勧進帳は歌舞伎でも人気の題材で、奥州に落ちのびる道中に正体がバレそうになった義経を、家来である弁慶が打ち据えて難を逃れた…という「義経記」の一場面です。


金箔に描かれた中国の物語

こちらの屏風は出自が分からないそうなのですが、全面に金箔が貼り付けてあり、その上に絵を描くという贅沢な仕様でした！色鮮やかな赤い絵具に、一際目を引かれました。


1番人気の商品は塩引鮭

店内には自社で製造する魚の加工品のほか、瀬波南国フルーツ園のジェラートや株式会社えんの藻塩など、バリエーション豊かなお土産品が揃っています。

「塩引鮭は日本ギフト大賞の新潟賞をいただきました。鮭の焼漬けはテレビ番組で紹介されたことも。系列店の食事処 海鮮一鰭でお出ししている醤油はらこも冷凍で持ち帰れますので、『美味しかったから購入したい』というお客様も多いですよ」

お子さんにも楽しんでもらいたいという思いから、お寿司のイラストが入ったキャンディや、可愛らしい文房具なども販売しているそうです。


折り紙のプレゼントも

塩引館の道向かいにある本館ではお惣菜を販売しており、こちらは地元民に大人気なんだとか。




手作りの美味しそうな惣菜たち

魚の焼物、フライ、天ぷら、お刺身…その他にも和のお惣菜がショーケースにズラリ。魚は漁師さんから直接仕入れており、なるべく山北のものを扱うようにしているとのこと。



せっかくなので私も購入！

近海で獲れた新鮮な鯛のお刺身と鮭の粕漬焼き、それと店員さんイチオシの昆布巻をチョイスしてみました。昆布巻の中身は身欠鰊、九州出身の私には馴染みのない材料ですが、上品な味付けでとても気に入りました！

同じ通り沿いには古い町屋が立ち並んでおり、どこも立派な屏風が展示されていました。


千年鮭きっかわの茶の間


塩引鮭も自由に見学できる


早撰堂のお座敷

たくさん歩いたのでどこかで休憩しようとなり、最後に訪れたのがこちら。


九重園茶舗

お茶屋さんに併設されたカフェ 九兵衛庵は落ち着いた雰囲気ですが、子連れでも快く入店OKしてもらえて助かりました。こちらのお座敷には、細部まで描き込まれた対の屏風が…


江戸時代の京屏風

「向かって左がお茶作りの様子、右がお茶会の様子を描いた屏風なんですよ」

た、たしかに！！よくよく見ると、お茶摘みをしている人達が描かれています！


紫外線から茶葉を守るための日除けの柵も描かれている


お茶会用の魚を、素手を使わず捌く様子

他のお客さんも興味深そうに眺めていました。

「こちらの屏風も面白いんですよ」


二十四孝絵屏風


孟宗竹の由来となった話、孟宗のワンシーン

「これは中国の親孝行物語24話をまとめたものです。孟宗が母親の願いを叶えるために、真冬の雪の中からどうにか筍を探し出したというお話です。村上大祭で使うおしゃぎりの、うちの町の乗せ物がこの孟宗なんです。」

こちらの建物は1762年(江戸時代)に造られたにもかかわらず、2019年に起こった震度6の地震でも無傷だったそうです。

他にも村上城のお殿様より賜った茶釜や時計など貴重な品物が多数残っており、拝見することができました。


江戸時代の長尾秋水の作


ネジで動かしていたであろう時計

九兵衛庵ではお煎茶のセットと抹茶シェイクをいただきました。


緑が目にも鮮やか！

水出しのスッキリしたお煎茶と、抹茶の風味がしっかり味わえるシェイク。疲れた体にしみ渡る美味しさでした。



屏風まつりは10月15日まで。会期中は屏風を眺めながらカフェタイムが楽しめるので、ぜひみなさんもお立ち寄りくださいね。

初めての村上散歩 秋を彩る屏風まつり（前編）
城下町村上 町屋の屏風まつり 2025