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冨士美園 伝統を大事にしながら様々なお茶の楽しみ方を提供

2023.10.24



1868年(明治元)創業の老舗、冨士美園(ふじみえん)さん。

村上茶を本格的に・気軽に、どちらでも味わえる間口の広いお店です。
店内には豊富な種類の緑茶の茶葉が並んでいますが、冨士美園さんの名物のひとつが、6代目の飯島剛志さんが復刻した「雪国紅茶」。

その昔は村上産の茶葉でも紅茶が作られていて、明治時代には、アメリカやロシアなど国外にも輸出されていたそう。
そこから100年ほどの間、製造が途切れていたのですが、文献から村上で紅茶が作られていたことを知った飯島さんが2004年に製造を復活。

甘さがあり渋みが少ないという村上の茶葉の持ち味が活きた紅茶は「雪国紅茶」と名付けられ、人気商品のひとつとなっています。



雪国紅茶の他にも新たな商品をいくつも生み出している冨士美園さん。そのひとつが、ボトリングティー。

お茶の美味しさを最高に引き出して味わうためには、お湯の温度や抽出時間の正確さなど、技術が必要なのがお茶の持つ魅力であり難しさ。
ボトリングティーは栓を開けて注ぐだけでプロが淹れたクオリティのお茶を味わえるよう、長時間かけて茶葉を低温抽出し、特殊な技術でボトリングしているのだとか。

その味わいは、一言で言うと美味しい出汁のよう!苦味や渋みが一切無く、旨味だけが口いっぱいに広がります。これが村上茶の本気…!



店舗の奥には、2019年11月にオープンした「茶寮カネエイ」があり、隠れ家カフェのような空間でお茶と向き合えます。
大正時代に建てられ製茶工場として使われていた建物は、燻されて黒くなった土壁や立派な梁が時代を感じさせます。

人気メニューはお茶とお菓子のセット。煎茶の種類も数種類あり、ほうじ茶や雪国烏龍茶など、緑茶以外の茶葉も選択できます。お店の方に目の前で一煎ずつ急須でお茶を淹れてもらい、三煎目からは自分で。普段急須を使ってお茶を飲む機会がない人にとっては新鮮な体験です。

お茶の味わいだけではなく、香りや味の変化、急須を使う所作など、お茶を淹れる時間そのものをたのしむ空間です。



店頭では、村上茶を使ったソフトクリームや、ほうじ茶や紅茶のジェラートが食べられます。

どの味も、茶葉の旨味がしっかり味わえて風味豊か。その他にも、他社の製品や飲食店とのコラボレーションなど、村上茶が市外や県外に広がる橋渡しをしている冨士美園さん。

個人的には涼しい時期にしか手に入らない、村上茶・雪国紅茶のショコラナッツが大好きです。


DATA
住所 新潟県村上市長井町4-19
電話番号 0254-52-2716
営業時間
 冨士美園 8:30~18:30
 茶寮カネエイ 11:00~17:00(ラストオーダー16:30)
休業日
 冨士美園 元日
 茶寮カネエイ 木・金・祝日
駐車場 3台
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この記事を書いた人

松本典子

村上市の小さな宿「よはくや」のオーナー兼フリーライターです。村上生まれ、村上育ち。観光に来た人を連れて行きたくなるお店、ガイドブックに載らないようなお店、ふだんのまちの様子など、地元の目線でお届けします!

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